「不要不急」と言うけれど。
ここんとこずっと疑問に思っていたことを書いてもいいかな。
なるべくテレビを見ないようにしていても、やっぱり少しは目に入ってくるものでね。
どうやら「おうち時間」(っていう言葉も好きじゃないなあ)を快適に楽しく、みたいな特集をあちこちでやっているようなんだけど。
「これはお取り寄せできます!」
「通販で買えるので大丈夫!」
って紹介している人(おもにアナウンサーかな)が言っているのを目にすると、どうしようもない違和感をおぼえるのですよ。
「ステイホーム」というスローガンを掲げて「ともかく家にいよう!」だけ考えている人(ある種の思考停止だよなそれって)は、こういうのを利用して「自分は」家から出ない=イイコトしてる! って思ってるのかもしれないんだけどさ。
ちょっと考えてみて。
そのお取り寄せや通販をあなたの家に運んでくるのは「運送屋さん=人間」なんだよ。
ということは、「自分が家から出ないために通販を利用したぶん、運送屋さんの荷物が増えて負担をかける」ことにならないだろうか。
うちの会社には出入りの宅配業者さんがいて、毎日集荷に来てくれるから顔見知りだったりするのね。
で、この騒動が始まったころ、少し話を聞いたことがある。
うちの社員「大変だよねー宅配さんは」
宅配屋さん「まあ、我々は休むわけにはいかないので……」
社「あーそうだよね、物流止まったら、経済止まっちゃうもんね」
宅「いえ。経済というより命です」
社「?」
宅「たとえば、外に買い物に行けない人に食料品を届けるとか……そういうの止めると命にかかわるんで」
あーなるほど……たしかに。
うちの両親も高齢で足腰しんどかったりするから、姉が通販で送ってくれるおかずとかすごく重宝してるもんね。
人によるだろうけど、宅配屋さんたちは志というか覚悟というか「自分たちがやらなきゃ誰がやる」みたいな感じで荷物を運んでくれてるんだなあ、ありがとう、と思うと同時に。
じゃあ、特に急いでいないとか、娯楽関係のちょっとガマンすればいいよねみたいな物を今運んでもらうのは、すごく良くないことなんじゃないかと考えたわけです。
じつは昨日、わが家にもこういう「不要不急な宅配便」が届いちゃってね。
とある舞台(観てない)のパンフレットとグッズで、申し込み締め切りがあるから急いで注文はしたんだけど、
ぜんぜん、今すぐ来なくていい。
ほんといつでもいい、半年1年先でも構わないんですよ、こんなお忙しい時期にこんなもの(いや自分にとっては良い物なんだけど、「不要不急」って意味でね)運ばせてしまってすみませんねえ、という気持ちになりました。
でね、ここで初めのほうに書いた「違和感」に戻ってくるわけだ。
「ライブ・芝居・コンサート・映画その他、外に出る娯楽はガマンしろ!」
→「そのかわり、家でできる楽しみはガンガンやっていい!」
→「そのために通販とか宅配とかどんどん使って!」
…………え?
それは、宅配業者さんに余計な負担を強いることなのでは……?
「不要不急の外出」を避けるためなら「不要不急の宅配便」を増やしてもいいと?
それ……自分が楽しむために、宅配業者さんを犠牲にしてるんじゃ……。
うちの会社に来た業者さんが言ったみたいに、命にかかわるような「要で急な」荷物がたくさんあるんだから、今はそっちを優先してもらったほうがいいよね。
だったら、娯楽がらみの宅配便は遠慮しようって考えになるのがふつうな気がするの。
なのにテレビは「ステイホームのおとも、お取り寄せ! 通販!」って声高に勧めていて……ダメだ、やっぱりどう考えても違和感しかない。
ちなみに私は今も開いているお店でガンガンお買い物するんですけど、今は各店舗さん、すごく気を遣っているのがわかる。
レジに並ぶときに距離をとったりビニールシートを吊ったり消毒液を置いたりそこらじゅう拭きまくったり。
たしか今問題になっている例のやつは「飛沫感染」で「空気感染」ではないので、これくらい対策していればたぶん大丈夫。
っていうか、宅配業者さんは配達先=不特定多数の人と接しているし、お店のレジの人とやりとりするのと玄関先で荷物を受け取るのでは、あまりリスクは変わらない気がするの。
だったら自分は「不要不急の宅配便」を利用することがないように、自分で買い物できるものはお店で買って自分で運んで、宅配業者さんの負担をなるべく減らしてあげたいなあと思って過ごしていますまる。
今日の1枚は、お買い物のついでに寄った「銀だこハイボール酒場」でのひとコマ。
銀だこって定期的にどうしようもなく食べたくなるよね。
営業していてくれてありがとう。